小西研究室
早稲田大学政治経済学術院

ゲーム理論入門(秋学期,木曜3限)

ゲーム理論は,ミクロ経済学と並んで,現実の社会経済現象を経済学流に(つまりは,意志決定者の合理的選択とそれらの相互依存関係に焦点を当てて)分析する上で不可欠なツールです.この講義では,ゲーム理論の中でも,非協力ゲーム理論について講義します.経済や社会を1つの物質に例えるなら,伝統的な経済学は個々の経済主体を,物質を構成する無数の原子や分子のように捉え,それらの微々たる動きが集計されて物質全体の動きが決まってくると考えてきました.数え切れないほどの原子や分子は,その1つが失われたところで物質全体への影響はありません.しかし,現実の経済では,ある経済主体が存在するかどうか,それがどう行動するかどうかに依存して,経済全体の動きが大きく変わってくることがあります.経済全体への影響力を持ちうる経済主体が複数存在するなら,それらの間で,戦略的な相互依存関係や予想形成を通じた相互依存関係が生まれます.大企業の間の製品開発競争などはその例です.非協力ゲーム理論は,戦略や予想を通じた,意志決定者間の新たな相互依存関係の分析へ道を開いたのです.この視点は経済学にとどまりません.非協力ゲーム理論は,今では,政治学でも標準的に用いられるツールになっていますし,社会学や心理学にも応用されています(同時に,社会学や心理学からの発想がゲーム理論を一層深化させています).

教科書:岡田章著「ゲーム理論・入門」(有斐閣)

練習問題

過去の期末試験問題(注意:試験当日の訂正などは反映されていない可能性があります)

期末試験のマークシート(サンプル)

  • サンプル
  • 試験当日は,HまたはHBの黒鉛筆(あるいはシャープペンシル)とプラスティック消しゴムを忘れずに持参してください.